確定申告後にやるべきこと ~個人事業主が次年度に向けて準備するポイント~

経営情報

確定申告後にやるべきこと ~個人事業主が次年度に向けて準備するポイント~

皆さんこんにちは 長崎県佐世保市にある経営コンサルティング会社 翔彩サポートです。

個人事業主にとって確定申告は一つの大きな区切りですが、申告が終わったからといって安心するのは早いです。
確定申告後の動きが次年度の経営に大きく影響を与えます。

そこでこの記事では、確定申告が終わった後にやるべきことを起業から経営をサポートする長崎県佐世保市の翔彩サポート、代表の広瀬が解説します。
ぜひ最後までご覧ください。弊社は、初回の無料カウンセリングを実施していますので、お気軽にご相談ください。

確定申告をしないといけない人

確定申告をしないといけない人は、たくさんいますが一部をご紹介します。より細かい内容を知りたい方は、ご連絡ください。

  • 自営業やフリーランスなどの個人事業主で、48万円を超える事業収入がある人
  • 不動産収入や株取引での所得がある人
  • 一時所得がある人
  • 住宅ローンを組んだ
  • 寄附やふるさと納税をした

自営業やフリーランスなどの個人事業主で、48万円を超える事業収入がある人

自営業やフリーランスなどの個人事業主のうち、所得が48万円を超える人は、確定申告をしなければなりません。年間所得2,400万円以下の人には48万円の基礎控除があるため、所得が48万円以下の場合、基礎控除を適用することで課税額がゼロとなり、確定申告は必要ありません。

ただし、自営業やフリーランスの場合、事業を営んでいる事実や売上額などを証明するために、確定申告書の控えが必要となる場合があります。そのため、所得額にかかわらず確定申告をした方が良いといえるでしょう。

また、青色申告をする事業者で、赤字になった場合は、確定申告をすれば赤字の繰り越しなどが可能となります。例えば、青色申告事業者であれば、赤字を3年間繰り越したり(純損失の繰り越し)、前年に繰り戻したりして(純損失の繰り戻し)、還付金を受け取れる可能性があります。

不動産収入や株取引での所得がある人

家や土地などの不動産を貸したことによる不動産所得がある人や、株取引やFXなどによる譲渡益が48万円を超える人は、原則として確定申告が必要です。

ただし、株や投資信託などの取引において、源泉徴収のある特定口座で取引をしている場合は、確定申告の必要はありません。少額投資非課税制度(NISA)などの非課税となる投資も同様です。なお、FXは特定口座での取引ができないため、48万円以上の利益が出ている場合、確定申告が必要です。

また、上場株式などの取引においては、源泉徴収のある特定口座で取引をしている場合であっても、確定申告をした方が良い場合があります。例えば、ある証券会社で開設し、源泉徴収されている特定口座で譲渡損失が生じていて、一方で別の証券会社で開設し、源泉徴収されている特定口座では配当を受取っているといったケースでは、申告分離課税を選択し確定申告をすれば、損益通算が可能です。

一時所得がある人

一時所得がある人で、収入を得るための支出額と特別控除額(最高50万円)の合計を超え、所得税が発生する場合は、確定申告が必要です。

なお、一時所得額を含めた合計所得額が48万円以下(給与所得者は給与以外の所得合計20万円以下)であれば確定申告は不要です。

住宅ローンを組んだ

確定申告をした方がメリットのある場合として、住宅ローンを組んだ場合も挙げられます。住宅ローンを組んで、一定の要件を満たすマイホームを購入、新築、または増改築した場合は、1年目に確定申告をすることで住宅借入金等特別控除が適用されます。

寄附やふるさと納税をした

寄附やふるさと納税をした場合も、確定申告をするメリットがあります。特定の団体などに寄附をした場合や、ふるさと納税をした場合は、寄附金控除の対象です。寄附金控除は年末調整では適用されないため、確定申告が必要です。

特にふるさと納税は控除額が大きい制度ですが、申告しなければメリットを得られません。ただし、確定申告をしない給与所得者がふるさと納税をした場合は、ワンストップ特例制度を利用することで確定申告せずに控除を受けられます。この場合は、所得税の還付ではなく、翌年の住民税からの控除になります。

確定申告が終わっても書類は保管しておくこと

確定申告が終わったからといって書類を破棄する方がいらっしゃいますが、捨てるのは絶対にやめましょう。
それは白色申告でも青色申告でも同様のことが言えますので、知人から「捨てて良い」と言われてもそれは間違ったアドバイスですので、注意しましょう。

法律上、必証書類を一定期間保存することが義務付けられています。

確定申告を行った後も、税務署から、申告内容について尋ねられることがあります。

また、税務調査の場合も、きちんと書類を保存しているかという点について、審査が行われます。

確定申告の結果を振り返る

確定申告を終えたら、まずは一年間の収支を振り返りましょう。

  • 収支の分析
  • 節税対策の見直し

具体的な内容については、以下で詳しくご説明します。

収支の分析

確定申告が終わったら、まずは1年間の収支を振り返り、事業の状況を把握しましょう。

まずは売上が前年よりも増えているかどうかの確認を行いましょう。増えていても減っていても何故その結果になったか、売上を細分化しながら分析を行ってみてください。

経費の中身を確認することも大切です。利益を出すためには売上を伸ばすことはもちろんのこと、支出をいかに減らすかも重要です。
事業として必要となる経費の支出は問題ありませんが、結果を伴わない支出は改善するよう努めるようにしましょう。

節税対策の見直し

毎年、節税対策の見直しは行うようにしましょう。その年の利益の出方によっては、節税になっておらずお金だけを支出しているケースも少なくありません。

ご自身の所得に応じた適切な節税を行うためにも新しい年間の事業計画を作成して見通しを立てることも必要です。

税金の支払い準備

申告して終了。ではありません。納税までが一連の流れです。税金の支払いには3種類ありますので注意しましょう。

  • 所得税の納付
  • 住民税・事業税の確認
  • 消費税の納税義務の確認

具体的な内容については、以下で詳しくご説明します。

所得税の納付

確定申告を終えると、所得税の納税義務が発生します。通常、納付書での納付方法であれば3月15日が納付期限となります。振替納税を選択している場合には、4月20日へと1ヶ月延びることになりますので資金的な余力を持ちたい場合には、振替納税を選択するようにしましょう。

住民税・事業税の確認

確定申告を基に住民税と事業税が計算され、6月ごろに納付書が届きます。所得税の納付時期と異なるため注意しましょう。

住民税については、年4回の分割払いが可能であり、納付時期は6・8・10・12月です。

事業税については、年間の所得が290万円を超える場合に発生しますので、ご自身の所得がどれくらいあるかを確認しておきましょう。

消費税の納税義務の確認

今年の売上が1,000万円を超えた場合、2年後から消費税の課税事業者になります。ご自身の過去の申告内容を振り返り、売上が1,000万円を超えていないか確認するようにしましょう。

インボイス制度への対応が必要な事業者は、課税事業者になるための準備を怠らないようにしましょう。

経営の見直しと次年度の準備

経営の見直しと次年度の準備のためには、以下の内容を検討しましょう。

  • 売上・経費管理の改善
  • 事業計画の策定
  • 資金繰りのチェック

具体的な内容については、以下で詳しくご説明します。

売上・経費管理の改善

確定申告を終えた今こそ、日々の会計管理を見直すチャンスです。

やみくもに売上や経費を改善しようとしても遠回りになってしまいます。売上や経費を管理している帳簿処理から見直すことから始めましょう。
第一に、会計ソフトを導入していない方は導入することから始めましょう。自計化していると日々の売上や利益がすぐに見える化できるため、問題が起きてからも対策が迅速になります。

また、自計化を行うことで経費の使い方についての見直しも進みます。これまで領収書をとりあえず保管していた方もご自身で帳簿作成をしていくことになると、意外と無駄な経費を使っていることが身に染みて実感できるはずです。

事業計画の策定

次年度の目標を明確にし、事業計画を立てましょう。

ここで立てる事業計画は年間の売上・原価・固定費・利益を見える化することです。
そこで年間の目標売上が決まると、その数値を達成するための具体的な取り組みまで落とし込むようにしましょう。

ただ『年間売上〇〇万円』と決めるだけでは、達成するためにどんな行動を起こしたら良いか分からないままです。
また、売上達成のための行動だけではなく、経費削減のために何をしたら良いかも漠然となってしまいます。

取り組み内容を決める時は、より具体的に決めるようにしましょう。

資金繰りのチェック

事業を継続するためには、資金繰りの管理も必要です。

現在の借入残高や金利を確認するとともに、上記で作成した事業計画書をもとに資金繰り表まで作成しましょう。
そうすることで、事業計画を達成することで資金繰りがどう動くか見えるだけでも経営者としての心の余裕が生まれるものです。

確定申告が終わってから確定申告書を金融機関へ提出することがあると思いますが、その時に書類提出だけで終わることがないようにしましょう。
これからのビジョンや借入についてしっかり話をしておくことで、金融機関も自分の事業について親身になってくれることがあります。チャンスは大切に行動しましょう。

まとめ:次年度のやるべきことに悩んだら、翔彩サポートまで

確定申告が終わった後も、やるべきことはたくさんあります。その中でも経営者としては、やはり売上を伸ばすためにどのように行動するかを考えなくてはいけません。

思うような結果が出せず、今年も何をしたら良いか困っている経営者の方は、翔彩サポートまでお気軽にお問い合わせください。

監修者情報

経営コンサルタント         翔彩サポート 代表 広瀬祐樹

【経営分析×経営アドバイス×財務管理】による永続的に繁栄する経営体制を支援。

経営について悩んでいることがあれば、どんなことでも構いません。お気軽にご相談ください。