資金不足に陥ってしまう理由と対策について
皆さんこんにちは 長崎県佐世保市にある経営コンサルティング会社 翔彩サポートです。
『資金繰りが厳しくて困ったことがあります』
『利益が出ているのに資金が回らなくなりました』
『なぜ、資金繰りが厳しくなるのかがわかりません』
経営者の中には、このような資金繰りの悩みを一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
損益計算書上、利益はしっかりでているのにも関わらず資金繰りが厳しくて倒産に追い込まれたケースも少なくありません。
そこでこの記事では、資金繰りが回らなくなってしまう理由と資金繰りが厳しいことで起こる問題について、開業から経営をサポートする長崎県佐世保市の翔彩サポート、代表の広瀬が解説します。
資金繰りが厳しいと感じている方や損益計算書と資金の流れを理解できていない方は、ぜひ最後までご覧ください。弊社は、初回の無料カウンセリングを実施していますので、お気軽にご相談ください。
資金不足に陥ってしまう状態とは?

簡単に言えば、「お金が不足する」という意味です。
自社の資金が減少した結果、関係先への支払いが難しくなる状態のことをいいます。資金不足の状態では、仕入れ代金も準備できないため、正常な経営活動ができなくなります。
仮にスムーズに売上が上がっていたとしても、支払いが必要なタイミングで資金が手元にない場合、経営存続が困難になるので注意しなければなりません。
資金不足と赤字経営の違い
赤字とは、損益計算書上で利益がマイナスのことを意味します。売上から原価や経費を差し引いて損失が発生している状態のことです。赤字になったからといって、すぐに倒産するわけではありません。赤字でも資金的に余力を持てていれば事業は続けられます。
ただし、資金ショートは関係先への支払いが滞ってしまうため早急に改善しなければいけません。
また、似たような言葉として債務超過というものがあります。
債務超過とは、負債(返済が必要な借金)が資産(会社が保有する預貯金、土地、建物などのトータル)を超えている状況を指します。状況としては、資産の方が少ないため良くはありませんが、資金がショートしているわけではありませんのですぐに倒産というわけではありません。
債務超過の状態が続けば、いずれ資金ショートします。
資金繰りが回らなくなる理由

資金繰りが回らなくなる理由は、主に以下の6点です。
- 売掛金の回収遅延
- 在庫の過剰保有
- 支出の増加
- 借入金の返済負担
- 利益率の低下
- 自然災害
具体的な内容については、以下で詳しくご説明します。
売掛金の回収遅延
企業が商品やサービスを提供した後、顧客からの支払いが遅れることがあります。この「売掛金」の回収が遅れると、企業の手元に現金が入ってこないため、資金繰りが厳しくなります。
例えば、ある企業が取引先に商品を納品し、30日後に支払いを受ける予定だったとします。しかし、取引先の都合で支払いが60日後に延びてしまうと、その間の運転資金が不足し、資金繰りが困難になります。
在庫の過剰保有
過剰な在庫を抱えると、商品が売れるまでの間、現金が在庫に固定されてしまいます。これは流動資金が不足する原因となり、資金繰りに悪影響を与えます。
例えば、季節商品を大量に仕入れたものの、売れ残ってしまった場合、その在庫は倉庫に眠ったままになり、現金化できないため、他の支出に充てる資金が不足します。
支出の増加
企業の支出が予想以上に増加することも資金繰りを悪化させる原因となります。例えば、人件費や材料費、設備投資などの支出が計画以上に膨らむと、手元の現金が不足しがちです。
新しいプロジェクトを始めるために、予定していた以上の初期投資が必要になった場合、その支出が増加し、日常的な運転資金が不足することがあります。
借入金の返済負担
企業が銀行からの借入金を返済する際、その返済額が大きいと月々のキャッシュフローが圧迫されます。特に、借入金の返済スケジュールが厳しい場合、資金繰りが回らなくなるリスクが高まります。
例えば、大きな設備投資のために高額の融資を受け、その返済が始まったが、売上が計画通りに伸びず、返済額が負担となり、資金繰りが厳しくなる場合があります。
利益率の低下
商品の売上はあっても、利益率が低い場合、売上からの現金収入が十分でなく、経費や支出をまかなえないことがあります。これにより、資金繰りが厳しくなります。
例えば、競争が激化し、価格を下げざるを得ない状況が続くと、売上は確保できても利益率が低くなり、結果として手元に残る現金が少なくなるため、資金繰りが苦しくなります。
自然災害
地震、台風、火事、洪水などの自然災害は予想不可能であり、誰にでも起きる可能性があります。
自然災害によって自社の工場や建物が損壊した場合、商品・サービスの供給がストップするだけでなく、多額の修繕費も必要になるケースもあるため、一気に経営状況が悪化する懸念があります。
特に、日本は地震のような自然災害が起こりやすい国なので、常に発生する可能性を考慮したうえで、資金を蓄積することが大切です。
資金繰りが厳しいことで起こる問題

資金繰りが厳しいことで起こる問題は、主に以下の5点です。
- 支払い遅延による信用の低下
- 従業員の士気低下
- 事業活動の制約
- 取引条件の悪化
- 破産や倒産のリスク増加
具体的な内容については、以下で詳しくご説明します。
支払い遅延による信用の低下
資金繰りが厳しいと、取引先や仕入れ先への支払いが遅れることがあります。これにより、企業の信用が低下し、将来的な取引に悪影響を及ぼすことがあります。
例えば、材料の仕入れ先への支払いが遅れた場合、次回の注文時に前払いを要求されたり、取引条件が悪化したりすることがあります。
従業員の士気低下
資金繰りの悪化により、従業員の給与が遅延したり、ボーナスや昇給が見送られたりすると、従業員の士気が低下します。これは生産性の低下や離職率の増加を引き起こす可能性があります。
給与支払いが遅れると、従業員は生活費のやりくりに困り、仕事に対する意欲が低下し、結果として企業の生産性が落ちることがあります。
事業活動の制約
資金が不足すると、新しいプロジェクトや設備投資、マーケティング活動などの事業活動が制約されます。これにより、企業の成長機会を逃すことになります。
新製品の開発や市場拡大のための投資ができず、競合他社に遅れをとることがあります。また、広告費を削減すると、売上の減少につながることもあります。
取引条件の悪化
資金繰りが厳しいと、金融機関からの借入条件が厳しくなったり、利率が高く設定されたりすることがあります。また、仕入れ先からの信用取引条件が悪化することもあります。
銀行からの融資を受ける際、返済期間が短くなったり、金利が高く設定されたりすることで、さらに資金繰りが厳しくなることがあります。
破産や倒産のリスク増加
資金繰りが悪化し続けると、最悪の場合、企業は破産や倒産に追い込まれることがあります。これは企業の存続に対する重大なリスクです。
一定期間、支払い不能な状態が続くと、取引先や金融機関からの信用を失い、法的手続きを経て破産宣告を受けることがあります。
資金繰りが厳しいことは予防する
資金繰りが厳しいことを予防する策は、主に以下の5点です。
- 資金繰りの把握
- 在庫管理の徹底
- 固定費の見直し
- 支払いサイクルの調整
- 融資の活用・リスケジュール
具体的な内容については、以下で詳しくご説明します。
資金繰りの把握
手元資金がいくらあるのか、いつまでに何の支払いがどれくらいあるのか現状の収支を細かく把握することが重要です。
そのためには、毎月試算表を作成した上で、資金繰り表も作成することがポイントになります。
資金繰り表とは、一定期間内の現金収支をまとめた表のことですが、資金繰り表の作成によって突発的な資金ショートを防ぐことができます。
在庫管理の徹底
資金ショートを防ぐには、「不要な在庫を余剰に持たないこと」が大切です。
無駄な在庫は赤字につながるため、セールやまとめ買いを実施するなど、早期に売り切ることも考えてみてください。
固定費の見直し
固定費といわれるものは販売費および一般管理費のことであり、売上が上がらなかったとしても発生する経費を指します。主な販管費として、地代家賃や人件費、通信費、水道光熱費、旅費交通費、広告宣伝費などがあります。
日々、ランニングコストとしてかかるものもあるため、ご自身の中で消化しきれない部分は、可能な限り削れる部分を削る意識が大切です。
経営者は常に「どの販管費を見直すか」を慎重に検討した後、実施しましょう。
支払いサイクルの調整
取引先との関係が良好な場合は優先して良いですが、支払いを遅らせる交渉を行うのも一つの手です。
これは、取引先の信頼を損なう懸念があるので注意が必要です。場合によっては取引停止の可能性もあります。
融資の活用・リスケジュール
資金ショートを回避する方法に金融機関からの融資があります。そもそも融資を利用していないのであれば検討するとよいでしょう。
ただし審査に通過する必要があります。資金不足の理由を明確に説明する以外にも、担保となる資産を保有しており、返済の見通しが立っているかどうかが重要です。審査に通過しても、入金までに時間がかかる点にも注意が必要です。
すでに金融機関から融資を受けている場合は、リスケジュールを検討してください。
まとめ:資金繰り難から脱却したいなら経営全てをサポートできる翔彩サポートまで
資金繰りの問題は、企業の経営に直接的かつ重大な影響を及ぼします。これらの問題を防ぐためには、日常的な資金管理の徹底と、迅速な対応策が求められます。
上記の内容以外にもご不明な点等ございましたら、翔彩サポートまでお気軽にご相談ください。
監修者情報

経営コンサルタント 翔彩サポート 代表 広瀬祐樹
【経営分析×経営アドバイス×財務管理】による永続的に繁栄する経営体制を支援。
経営について悩んでいることがあれば、どんなことでも構いません。お気軽にご相談ください。