借入金にも種類がある?
皆さんこんにちは 長崎県佐世保市にある経営コンサルティング会社 翔彩サポートです。
今回は「金融機関からの借入金の種類」について解説します。
資金調達には、短期借入金と長期借入金がありますが、実際この二つにはどのような違いがあるのでしょうか?
長期借入金とは?
長期借入金とは、返済期限が1年以上の借入金のことで、土地や工場など大きな固定資産の購入などで運転資金が不足した時に使う借入金です。
返済期間の長さ
1年以上のものが長期借入金になります。短期借入金は流動負債ですが、長期借入金になると固定負債に分類されます。この1年を境にB/Sの記載方法が変わるルールを「ワンイヤー・ルール」といいます。
審査基準の厳しさ
短期借入は、売掛金の回収など短期的な借入のため、赤字の会社でも融資を受けることができますが、長期借入金は金額も大きく返済期間も長いため、貸主である銀行等の金融機関にかかるリスクは大きくなります。
長期借入金のメリット
返済を長期で考えることができるため、返済のプランが立てやすいことや返済に充てる負担を減らせます。
銀行にとって長期貸付はリスクも大きいため、審査も厳しく融資手続きも煩雑になりますので、工場や土地の購入、設備や機器への投資で運転資金が不足している局面で使うのが適切です。
長期借入金の帳簿処理方法
自計化されている方もいると思いますので、ご紹介します。
返済期間が1年以内のものは短期借入金処理
長期借入金でも、返済期間が1年以内のものは「ワンイヤー・ルール」に従って仕訳を短期借入金に振り替える必要があります。振替え忘れても特に税法上違法ではありませんが、融資や資金調達、取引の際に決算書などを開示する際に、短期的な資金繰りの実態を正確に開示できないため、場合によっては虚偽報告となり、信頼を損ねるリスクがあります。なので、長期借入金がある場合は、決算処理の際に必ず残りの返済年数を確認しましょう。
借入時に伴う保証料の取扱い
基本的にできて間もないベンチャー企業や中小企業にとって融資を受けるなら信用保証は必須です。中小企業が融資を受ける時は「信用保証協会」から信用保証委託を受けるケースがほとんどです。信用保証を受けられる代わりに、信用保証料を支払う必要があります。基本的には、借入時に一括で支払いをして、支払利息または支払手数料に含めて計上しますが、長期借入金の場合は、保証料が次期以降にも反映されるため、決算期後1年以内に費用となる分を「前払費用」、決算期後1年を超えて費用となる分を「長期前払費用」と3つに分けて計上する必要があります。
上記の内容以外にもご不明な点等ございましたら、翔彩サポートまでお気軽にご相談ください。
監修者情報

経営コンサルタント 翔彩サポート 代表 広瀬祐樹
【経営分析×経営アドバイス×財務管理】による永続的に繁栄する経営体制を支援。
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