役員退職金の計算方法と支給時期

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役員退職金の計算方法と支給時期

皆さんこんにちは 長崎県佐世保市にある経営コンサルティング会社 翔彩サポートです。

今回は『役員退職金の計算方法と支給時期』について解説していきます。

役員退職金とは?

役員退職金とは、役員が退職した際に支給する退職慰労金です。

一般的な退職金とは違い、退職金規程を作成する必要がありません。

ただし、役員退職金の支給には、定款の規定もしくは株主総会の決議が必要となります。

役員退職金は全額が損金算入となるため、会社側にも節税対策としてのメリットがあります。

ただし、役員退職金の金額が合理的でない場合には税務調査で否認されるリスクもありますので、役員退職金の計算方法や損金算入時期を確認しておきましょう。

役員退職金の計算

役員退職金について具体的な支給額や算定方法、支給時期、支給方法などの定めはありません。

しかし、税金計算上の費用として処理するには考慮すべき事項があります。

退職金額=報酬月額×勤続年数×功績倍率+(功労加算金)

報酬月額

一般的には、退職直前の報酬になります。

それぞれの事情で退職直前の報酬が大幅に減額されているなど、会社側が算出方法として適当でないと判断する場合には、減額前の報酬金額などを報酬月額として採用するケースもあります。

勤続年数

役員として業務に従事した期間です。

社員から役員に昇格した際、社員分の退職金の支給が無い場合は、社員の期間と役員を務めた期間に分ける必要があります。

功績倍率

役員として法人の業務に従事した期間および役員の職責に応じた倍率で、通常は1.0~3.0程度の間で設定されている場合が多いです。

役員退職金の支給時期

実際の退職金の支給時期は支給額が確定してからになります。

また、支給時期についても総会などで決議しておきます。

税金計算上の処理

税金計算上、役員退職金は原則、退職金の金額が確定したときに費用として処理することができます。また、実際に支払った時の費用処理も可能です。

退職前に支給が可能か

定款または総会で支給金額を決議すれば、実際の退職前に役員退職金の支給は可能です。

しかし、それは支給が可能というだけであり、税金計算上は退職の事実があった段階で費用として処理されます。

退職後の支給タイミング

退職後に支給する場合、いつまでに支払えばよいでしょうか。通常は退職後速やかに支給するものですが、受給者との調整や資金繰りなどの理由で金額の確定や支給が遅れることもあります。

税務上は、退職の事実からおおむね3年以内に支給額が確定すれば、退職金として処理することが可能と考えられています。しかし、退職金は税金計算上の費用に計上できるため、支給時期を意図的に調整すると利益の調整弁になってしまい、課税上の問題となります。

上記の内容以外にも役員退職金について詳しいことや気になることがございましたら、翔彩サポートへお気軽にお問い合わせください。

監修者情報

経営コンサルタント         翔彩サポート 代表 広瀬祐樹

【経営分析×経営アドバイス×財務管理】による永続的に繁栄する経営体制を支援。

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