事前確定届出給与とは?
皆さんこんにちは 長崎県佐世保市にある経営コンサルティング会社 翔彩サポートです。
今回は『事前確定届出給与』について解説していきます。
経営者を含め取締役などの役員に対する報酬や賞与は、従業員の給与とは異なり、税務上の規定に従って支給されなければ損金算入できません。
それに、役員報酬は金額が大きくなる傾向にあり、損金算入として扱わなかった場合、納税負担額や資金繰りにも悪影響を及ぼします。このような事態を避けるために、役員賞与を損金算入できる「事前確定届出給与」の制度を把握しておくことが重要です。節税効果につながる事前確定届出給与は、どのように利用すればよいのでしょうか。
事前確定届出給与の概要
事前確定届出給与とは、経営者や監査役といった役員に対して所定の時期に確定額を支給する旨を定め、事前に税務署に届出をした給与のことです。
役員に支払う報酬には「役員報酬」と「役員賞与」があります。
言葉は似ていますが、それぞれの特徴は以下の通りです。
役員報酬:給与として毎月支払われる報酬
役員賞与:退職給与以外の臨時的な報酬
会社が従業員に支払う給与や賞与はすべて損金に算入できますが、役員への報酬は税務上の規定に基づいて支給されていなければ損金に算入できません。損金扱いにならない報酬支給は、当然ながら課税対象となります。
事前確定届出給与の要件
役員賞与を損金算入するには、事前確定届出給与の届出が必要です。
届出書には決議を行った日や機関等の名称、執行開始日、届出期限などを細かく記載することが求められます。付表には対象者氏名と役職名、職務執行期間、支給時期と支給金額などを明記します。
支給時期は明確な日付を記入し、支給金額も1円単位で設定しなければなりません。つまり、大まかな内容では受理されない可能性が高いため注意が必要です。なお、事前確定届出給与の届出書は、株主総会等で役員賞与の支給を決議するごとに作成します。
事前確定届出給与の届出期限
事前確定届出給与の届出は、一定の期限内に必ず提出しましょう。
株主総会や社員総会等の決議によって所定の時期に所定金額を支給することを定めた場合
次のうちいずれか早い日が期限となる
a.その決議の日から1月を経過する日
b.会計期間開始の日から4月を経過する日
新設した法人が所定の時期に所定金額を支給することを定めた場合
設立の日以後2月を経過する日
臨時改定事由により新たに事前確定届出給与の定めをした場合
上記の届出期限と臨時改定事由が生じた日から1月を経過した日とのうちいずれか遅い日
役員に対する報酬や賞与は、規定を知らずに支給してしまうと損金不算入となり、納税面や資金繰りで会社にとって不利になってしまいます。
役員報酬や役員賞与に関する税務上の取り扱いは、正確に把握しておきましょう。
税理士に任せている方も多いと思いますが、経営者自身できちんと内容を理解しておく必要があります。
上記の内容以外にも事前確定届出給与について詳しいことや気になることがございましたら、翔彩サポートへお気軽にお問い合わせください。
監修者情報

経営コンサルタント 翔彩サポート 代表 広瀬祐樹
【経営分析×経営アドバイス×財務管理】による永続的に繁栄する経営体制を支援。
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