利益は出しているのに、会社倒産の危機に陥る理由と対策
皆さんこんにちは 長崎県佐世保市にある経営コンサルティング会社 翔彩サポートです。
『会社としての利益はしっかり出しているのに、資金繰りが毎月苦しい』
『どれだけ利益を出せば、資金繰りが楽になるのか知りたい』
『赤字でも資金繰りに困っていない会社との違いは何かを知りたい』
どんな企業であっても、利益を残しているのに資金繰りが厳しくて倒産に追い込まれてしまうことがあります。黒字倒産を回避するためには原因を正しく理解して、きちんとした対策をとらなければなりません。
そこでこの記事では、黒字倒産の概要と黒字倒産に追い込まれてしまう理由や対策について、開業から経営をサポートする長崎県佐世保市の翔彩サポート、代表の広瀬が解説します。ぜひ最後までご覧ください。弊社は、初回の無料カウンセリングを実施していますので、お気軽にご相談ください。
そもそも黒字倒産とはどんなことを言うのか?

帳簿上は利益が出ているにも関わらず、倒産してしまうことを指して「黒字倒産」と呼びます。これから経営をしていく人にとっては、なぜ利益が出ているにも関わらず、倒産してしまうのか理由がよくわからないこともあるでしょう。
法律的な話をすると、倒産とは、破産法・民事再生法などの倒産法に基づき法的整理手続を開始することをいいます。一般的には赤字経営によって会社の財務状況が悪化し、債務の返済ができなくなる状態のことを倒産といいます。
このように法律上の倒産と一般的に使われる倒産は意味が異なるので、両者を区別するために、特に一般的に使われる倒産のことを「事実上の倒産」と呼ぶこともあります。
通常の倒産は、赤字が続いて会社の財務状況が悪化し、債務の支払いが滞ることで起こりますが、黒字倒産の場合、会計上はきちんと利益が出ているにもかかわらず、債務の返済ができなくなってしまうのです。この原因は入金と出金のタイミングのズレにあります。
会計上の利益は黒字になっていたとしても、手元の現金が底を付けば債務の返済をすることはできません。このように、会計上の利益と現実のお金の動きは必ずしも一致しないため、入金と出金のズレによって債務が返済できなくなることで黒字倒産が起こるのです。
会社が倒産に追い込まれてしまう原因

会社が倒産に追い込まれてしまう原因は、主に以下の5つです。
- 業績不振
- 連鎖倒産
- 過大な設備投資
- 債権の未回収
- 過大な在庫保管
具体的な内容については、以下で詳しくご説明します。
業績不振
会社にとって売上は収益の源泉であるため、売上が減少すれば当然収益も減少します。収益が減って赤字経営が続くと債務の返済もできなくなり、やがて最終的には倒産を迎えてしまうのです。業績不振の原因としては、競合からシェアを奪わることや業界の衰退などさまざまなことが考えられるでしょう。多くの中小企業は販売不振を原因として倒産するのです。
連鎖倒産
取引先の倒産が影響して自社も倒産してしまうことで、収益が特定の取引先に依存していると起こります。また、得意先が特定の1社に依存している場合も連鎖倒産の原因になり得るでしょう。連鎖倒産を避けるためには、できる限り取引先を分散させるなどのリスク対策が必要です。
過大な設備投資
事業として拡大をしていく際に設備投資が必須な事業もあるでしょう。しかし、身の丈に合った設備投資をしなければ手元資金の余裕がなくなってしまい、一時的に資金繰りが悪化します。設備投資が収益に繋がるまでには時間がかかるので、一時的に手元資金が減少して経営が苦しくなるリスクもあります。設備投資をする場合には、投資と手元資金のバランスが大事なのです。
債権の未回収
会社間の掛取引や商品販売時のクレジット決済など、事業を営むうえで代金後払いの取引はよくあることです。
このような代金後払いによって発生する債権の回収を怠ると、資金繰りが悪化します。
利益が出ていることに安心して債権回収を怠りがちですが、どんなに利益が出ていても未回収債権が増えると倒産する危険が高まります。
そのため債権回収は軽視することなく、きちんと対策をとらなければなりません。
過大な在庫保管
在庫は資産ではあってもすぐに現金化できません。過剰在庫はキャッシュフローの悪化に繋がります。在庫を大量に抱えることは資金繰りが悪化し、黒字倒産の原因になるのです。在庫状態の悪化は、在庫管理不足や収益性を見誤ったことが原因で発生します。在庫状態の悪化は倒産につながるほど危険なことなので、適切な在庫管理を保つことが重要です。
黒字倒産に追い込まれてしまう会社の特徴

黒字倒産に追い込まれてしまう会社の特徴は、主に以下の3つです。
- 手元資金が少ない
- 売上入金のサイクルが遅く、支払タイミングが早い
- 得意先の固定化
具体的な内容については、以下で詳しくご説明します。
手元資金が少ない
黒字倒産の直接的な原因は、手元資金が少ないということです。どんなに利益が出ていても手元資金が少なければ資金繰りは悪化し、資金ショートを起こしてしまうのです。売上が増加した月は仕入れや人件費がかさむことも多いので、手元資金が急激に減少する可能性があります。黒字倒産を防ぐためにはまず、出来るだけ多くの手元資金を確保しておかなければなりません。
皆さんの中で金融機関と取引がない方は、金融機関と良好な取引を始めるように動いてみて下さい。
売上入金のサイクルが遅く、支払タイミングが早い
資金繰りを健全化して黒字倒産を防ぐためには、取引時にできる限り入金のタイミングを早めるよう交渉しましょう。会社間の取引においては掛取引が一般的なので、ある程度入金のタイミングが遅くなることは避けられません。また、支出のタイミングが早いことも黒字倒産のリスクを高めます。
支出のタイミングが早いかどうかは入金のタイミングと相対的に決まるので、入金と出金を合わせて管理することが大事です。
得意先の固定化
売上が特定顧客に依存していると、その顧客からの支払が遅れるだけでキャッシュフローが急激に悪化し黒字倒産のリスクが高くなります。また、顧客や取引先の偏りは連鎖倒産を招く危険もあるので、顧客や取引先はできるだけ分散しておく方がリスクは軽減できるでしょう。
黒字倒産を防ぐための取り組み

前提として売上を上げることが必須です。前述したように売上は収益の源泉となります。
それ以外で黒字倒産を防ぐための取り組みは、主に以下の6つです。
- 入出金状況を把握する
- 売掛金の回収期間を短くする
- 仕入代金支払いまでの期間を長くする
- 資金調達先を確保する
- 資産の売却をする
- 金融機関にリスケジュールを依頼する
具体的な内容については、以下で詳しくご説明します。
入出金状況を把握する
資金ショートによる黒字倒産に陥らないようにするためには、「いつ何の支払いがどれくらい発生するか」「いつ何の入金があるか」をしっかり把握する必要があります。
そこで、資金繰り表を作成しましょう。まずは過去12か月分の資金繰り実績表を作成し、過去の資金の増減の状態などについて確認します。次に、この先12か月分の資金繰り予定表を作成して、資金の増減などの予測を確認して、その対応策などについて検討するのです。
先々の入出金についてもまえもって把握し、資金不足が生じないように管理してください。
売掛金の回収期間を短くする
掛取引によって、仕入代金や人件費の支払いと、売掛金の入金とのタイムラグがあるのが、黒字倒産の原因のひとつです。そこで、売掛金入金までの回収期間を短くすれば、黒字倒産は避けやすくなります。
売掛金回収については入金時期を早めてもらったり、一部前払いしてもらったりするなど、取引条件を交渉するようにしてください。
仕入代金支払いまでの期間を長くする
仕入れた商品や材料などの代金を支払うまでの期間を「仕入債務回転期間」といいます。この仕入債務回転期間を長くしてもらえばもらうほど、資金繰りは改善し、黒字倒産のリスクが減ります。
仕入先に分割支払いにしてもらったり、一部の支払いを遅らせてもらったりできないかを依頼してみるのもいいでしょう。
資金調達先を確保する
資金不足のときに限って、売掛金の入金が遅れたり、支払いが必要な費用が発生したりするなど、経営における不測の事態が起こることは往々にしてあります。このようなときは、黒字倒産に備えるため、資金調達の手段を確保しておかなければなりません。
ただし、金融機関から融資を受けるには、必要書類を準備して審査を受けなければなりません。すぐに審査が通るわけではないので、資金ショートしてから相談していては遅いといえます。
そこで、先を見据えた資金繰り予定表を作って、資金不足が起きそうなタイミングを事前に把握し、金融機関に対して「この時期に融資を受けたい」と伝えておきましょう。そうすることで、融資をスムースに受けられるうえ、資金に余裕ができるので、想定外の突発的な資金不足にも対応しやすくなります。
資産の売却をする
黒字倒産回避のために必要なのは、ある程度の資金の確保です。資金確保のため、事業には無関係な設備や倉庫、不動産などの資産は売却も検討しましょう。設備や倉庫はメンテナンス費用などもかかり、利益にはつながらないのにお金が出ていくので、資金不足を加速させることにもつながります。
金融機関にリスケジュールを依頼する
金融機関への条件変更については早めに、なおかつ具体的な改善計画を提示すれば、支払猶予やリスケジュールに対応してもらうことも不可能ではありません。
原則として、リスケジュールは元金返済棚上げとして、金利のみの支払いにします。もちろん、一定額の返済をすることも可能です。仮に当月の返済金額が20万円だとしたら、とりあえず5万円だけ返済したり、金利のみを返済したりするなど返済可能額を支払いつつ、リスケジュールを依頼します。リスケジュールしてもらう間は、事業の立て直しや経営者の給料カット、仕入先への支払条件の交渉などを進め、通常の返済に戻していきましょう。
「今月末の支払いが厳しい」と発覚した段階で相談するのではなく、資金繰りが苦しくなりそうな月の少なくとも3か月前には相談することが重要です。
まとめ:会社を立て直したいと本気で思う方は、翔彩サポートまで
黒字倒産を防ぐためにやらなきゃいけないことは一つではありませんし、そこには相当な熱量が必要です。それを経営者一人で進めるには限界もあるでしょう。
現状を打破したいと思う経営者は、ぜひ翔彩サポートまでお気軽にお問い合わせください。
監修者情報

経営コンサルタント 翔彩サポート 代表 広瀬祐樹
【経営分析×経営アドバイス×財務管理】による永続的に繁栄する経営体制を支援。
経営について悩んでいることがあれば、どんなことでも構いません。お気軽にご相談ください。