キャンセル率が低い医院の特徴と急患に振り回されない方法について

経営情報

キャンセル率が低い医院の特徴と急患に振り回されない方法について

皆さんこんにちは 長崎県佐世保市にある経営コンサルティング会社 翔彩サポートです。

『自院には毎日キャンセルが5人以上出るけど、多いのか少ないのか分からない』
『キャンセル率が低いと言われるのは何%までのことを言うのか知りたい』
『キャンセル率が低い医院は何が違うのか知りたい』

医院経営で予約制を敷いている経営体制の場合、キャンセル率が医院経営に大きな影響を及ぼしますが、キャンセル率はどこを目指したらよいのか、キャンセル率を減らすときにするべき対策が何かわからないケースも多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、キャンセル率の高い医院と低い医院の違いや急患について、開業から経営をサポートする長崎県佐世保市の翔彩サポート、代表の広瀬が解説します。
キャンセル率が高い傾向にあるのかもしれない感じている方や急患で困っている方は、ぜひ最後までご覧ください。弊社は、初回の無料カウンセリングを実施していますので、お気軽にご相談ください。

キャンセル率の求め方と目指すべき数値

計算の方法は様々あると思いますが、翔彩サポートで算出している方法は下記の通りです。

キャンセル率=月間キャンセル数÷月間総予約人数

上記、月間総予約人数は日々の朝一時点での予約が入っている人数とします。
私が関わっている医院で一番低いキャンセル率は3%前後の医院があります。ここまでの数値を出せると予定していた診療がスムーズに進むことになります。ここまで低いキャンセル率を叩き出していますので、とるべき対策をしっかり実行できた結果です。
また、医院として目標とすべきキャンセル率は10%以下です。何も対策をしていない医院では12~15%のキャンセル率になっている医院も少なくありません。この目標を設定する前に、ご自身の医院が今キャンセル率がどれくらいなのか、数値を把握するところから始めましょう。
ここで把握できたキャンセル率は、医院スタッフ全員で共有しましょう。

キャンセル率が低い医院の特徴

キャンセル率が低い医院の特徴は、主に以下の2点です。

  1. 患者さんとの関係性
  2. 患者さんの治療に対するモチベーション維持

具体的な内容については、以下で詳しくご説明します。

患者さんとの関係性

1つ目は、患者さんとの関係性が良好であるかどうかです。キャンセル数が少ない医院は、患者さんとのコミュニケーションが充実しており、関係性がとても良好です。
医院と患者さんとの関係性が構築できていれば、無断キャンセルはしないと思います。そういった人間関係が構築できているかどうかがポイントになります。

患者さんの治療に対するモチベーション維持

2つ目は、患者さんの治療に対するモチベーションを維持させることができて、患者さん本人が治療に対して積極的な参加ができているかどうかです。キャンセル数が少ない医院は、患者さんのモチベーションを上げるもしくは維持させるのが得意です。専門的技術力はもちろんですが、患者さんにとっては教育者でもあります。

急患に振り回されないための方法

多い日では1日に5人の急患対応に追われ、結果的に予定していた診療ができなかった経験はありませんか?
その日、急患で来院された方の特徴を振り返ってみましょう。急患には、患者さん自身にも問題がある場合もあれば、医院側にも問題を抱えているケースもあります。

急患に振り回されないための方法は、主に以下の4点です。

  1. 約束や予定を決められない
  2. 急患の優先度と緊急度
  3. 既に予約して頂いている患者さんが最優先
  4. 急患への教育

具体的な内容については、以下で詳しくご説明します。

約束や予定を決められない

医院からお願いごとや約束ごとを守ってくれない患者さんの多くは急患になりやすい傾向にあります。予約時間の直前にキャンセルをしたり、治療途中で何度も来院が途絶えてしまったり、みなさんの医院でも経験があるのではないでしょうか。
急患の中には、緊急を要する患者さんもいらっしゃいます。すべての急患に該当する訳ではありませんが、視野を広げてみるとコンプライアンスの低い患者さんが多くありませんか?

急患の優先度と緊急度

急患については、優先度と緊急度の2つをもとに判断することが大切だと思います。
すべての急患をきちんと予約時間守って来院する患者と同じオペレーションで診療をすると不公平感が否めません。事実上、予約の割り込みになってしまいますので、予約して頂いている患者の時間を奪ってしまう可能性があります。

既に予約して頂いている患者さんが最優先

予約制を敷いている医院経営であれならば、既に予約して頂いている患者さんを最優先に考えましょう。
「急患対応=困った患者さんを救った」と思いがちですが、予約している患者さんの立場はどうなりますか?治療時間を奪われてしまい、治療が進まなければ、予約している患者さんを救ったとはいえません。
患者さんの信頼を獲得するためには、医院側と予約患者さんの時間は厳守すべきです。急患にはお待ちいただくことになってしまうかもしれませんが、予約を頂いている患者さんとの約束が第一に考えるべきだと思っています。

急患への教育

前述した通り、緊急を要する場合は仕方ありません。
しかし、コンプライアンスが低く急患の頻度が多い患者さんに対しては、きちんと教育しなければ現状を打破するのは難しいでしょう。患者さん自身が変わるよう対応しなければ、患者さんにとって「都合の良い医院」になってしまいます。
良い治療や予防を提供するためには、医院と患者が二人三脚で行っていく必要があります。患者さんにも前向きに治療や予防に参加してもらうために、医院の考え方や診療の流れを理解してもらえるよう伝えていきましょう。

急患の減らし方

皆さんの医院は、1日に平均して何人の急患が来院されますか?
多くの医院を見てきて感じる急患が多い医院と少ない医院の差は、努力次第です。
急患が少ないと、予定通りの診療が行えてイレギュラーなオペレーションも発生しません。院内も落ち着いて診療を行うことができます。

はじめに、急患の理由をきちんと整理しましょう。どんな目的と理由でアポイントを取得していますか。
その理由を事前に自分たちの努力で変化させられるものかどうかを判断することが大切です。
そもそも変えられないものについては、考えたところで時間の無駄です。変えられるものを、どのようにして変えていくべきかを考えることです。

急患の減らし方は、主に以下の2点です。

  1. 患者教育
  2. 患者のモチベーションを維持

具体的な内容については、以下で詳しくご説明します。

患者教育

急患を減らすためには、患者さんを医院の診療方針に合った患者さんへと教育することが大切です。
教育といっても教えていくというよりかは、医院(スタッフ)と患者との人間関係を構築することです。皆さんが大切な人との予定をイメージしてみてください。相手のことが大切でその方との人間関係が構築できていれば、連絡もなくキャンセルはしないでしょう。
患者一人ひとりとそこまでの人間関係が確立できているかどうかで、急患患者は劇的に減ります。

患者のモチベーションを維持

キャンセル率が低い医院の特徴にもあったテーマですが、患者さんのモチベーションを維持できるかどうかも重要です。これまで、通院していなかった方はもちろん、患者自らが積極的に治療に参加している必要があります。
医療従事者は単に技術者ではなく、教育者でもあるためモチベーションを保てるように努力しなければなりません。医療は、人の命を預かるとともに、一種のサービスでもあります。技術力が高いだけではなく、患者がその技術を理解して受け入れるように動機づける能力も必要になります。患者がモチベーションを保てれば、治療に対する意識が向上し、健康を維持したいという願望が生まれます。
結果的に、自分にとってのより良い治療やメンテナンスを受け、健康を保ちたいと思うようになります。その状態になると、急患になりにくい患者となります。急患を減らすということは、患者の健康を最優先に考えての行動であり、結果として医院にとってもプラスに働きます。

まとめ:キャンセル率や急患に課題が感じている方は、翔彩サポートまで

治療は、人間を対象としたビジネスでありますので、患者さんが前向きに治療に協力してもらえる状態を作り出すことができるかどうかがポイントです。ご自身の健康に関する価値観や優先度を変えられるかどうか、この辺りも非常に重要なポイントになります。

上記の内容以外にもご不明な点等ございましたら、翔彩サポートまでお気軽にご相談ください。

監修者情報

経営コンサルタント         翔彩サポート 代表 広瀬祐樹

【経営分析×経営アドバイス×財務管理】による永続的に繁栄する経営体制を支援。

経営について悩んでいることがあれば、どんなことでも構いません。お気軽にご相談ください。