【相談】なぜか、仕事をしているのに利益が出ません…
皆さんこんにちは 長崎県佐世保市にある経営コンサルティング会社 翔彩サポートです。
以前、とある建設業を営んでいる経営者の方からこのようなご相談を受けました。「仕事の受注状況は良いのに、なぜか会社に利益が残りません。理由を知りたいです・・・」
そんなことがあるの?と思われた方もいるかもしれませんが、現実にこのようなケースは少なくありません。
色々、ヒアリングした中で感じた今回の原因は3つ。
- 原価管理ができていない
- 固定費が増大しすぎて損益分岐点が高すぎる
- 赤字覚悟での受注
一つ一つ説明していきます。
原価管理ができていない
目先の仕事を取ることが優先になってしまうばかりに、利益率を考慮せずに受注してしまうことがあります。
この会社は、その典型例でした。
試算表を見ても売上総利益率(※建設業については限界利益も合わせて確認すること)が低すぎたため、受けた仕事一つ一つの利益率を調べることにしました。
早速問題が生じたのは、会社内部においてそれらを全く把握できていない状況だったということです。
そこで、事務員と協力して業者からの請求書を確認しながら原価管理表を作成し、今後の仕事についても管理を徹底できるようにしました。それぞれ仕事における利益率を洗い出すことで、「なぜ、この仕事は利益率が高かったのか」「なぜ、あの現場は利益率が低かったのか」が明確になります。
ただし、この数値を出すことで満足しないでください。ここで大切なのは、「利益率を上げるためにできることが他になかったのか?」を考えてください。
数値だけを眺めて、「次に活かそう」と思っていては何も変わりません。
固定費が増大しすぎて損益分岐点が高すぎる
会社をどんどん大きくしていくことは悪いことではありません。
ただし、そのスピードを間違えてはいけないということです。いけいけドンドンで大きくなっていくということは、会社として人を雇用していく、設備投資をしなければいけないなど、固定費は確実に増えていきます。
現状の会社規模における損益分岐点売上高はいくらなのかを常に把握してください。
また、投資が必要になるタイミングでは、その投資をすることによって損益分岐点売上高がプラスでいくら必要になるのかを計算して、その売上を確保することが現実的なのかを考えるようにしましょう。
研修ひとつに参加すること、小機械を購入することにしてもお金がかかっているということです。
私自身、セミナー一つ参加するにしても必ず「このセミナーを受けることによって自社のサービスの付加価値を更に高められるためにどうすべきか」を考えて実際にサービスに取り入れるところまでを徹底して行います。
理由は簡単です。
固定費は売上に変動するものではないからこそ、自分自身の努力で賄っていくしかないからです。
赤字覚悟での受注
資金繰りが厳しい会社に特に多い問題だと思います。
来月の支払いを何とかクリアするために赤字と分かっていても資金回収ができるのであれば仕事を受けるケースも多く見受けられます。ハッキリ申し上げますが、このような仕事の受け方はやめましょう。
これを続けていると負の連鎖から抜け出すことはできません。
会社は利益を出してこそ存続できます。利益がでないと資金繰りが厳しくなり、金融機関に返済のための資金を借りなければいけなくなります。前向きな借入はおススメしません。
見積もり段階で、受けて良い仕事かどうかを数値をもって判断してください。
まとめ
この記事をみて、すぐに取り入れることができることとそうでないことがあると思います。現状を打破したければ、いきなり全部を変えなくても良いので少しでも変化させていってください。自分が変わらなければ、何も変わりません。
上記以外にもご不明な点等ございましたら、翔彩サポートまでお気軽にご相談ください。
監修者情報

経営コンサルタント 翔彩サポート 代表 広瀬祐樹
【経営分析×経営アドバイス×財務管理】による永続的に繁栄する経営体制を支援。
経営について悩んでいることがあれば、どんなことでも構いません。お気軽にご相談ください。