法人化を後悔する理由
皆さんこんにちは 長崎県佐世保市にある経営コンサルティング会社 翔彩サポートです。
『個人事業から法人化したけど、あまりメリットを感じられない』
『法人化したけど、何が変わったのかあまり実感がわかない』
『法人化することで、手続き関係が煩雑化した』
個人事業主が事業を拡大させていく中で考えるのが「法人化(法人成り)」についてです。
個人事業主から法人化した方からこのようなご相談をいただきます。上記と同じ気持ちになった方の理由は簡単です。それは、シミュレーションが甘かったことにあります。
法人化をした方が良いのか、このまま個人事業主として継続した方が良いのかを悩むタイミングが出てくるでしょう。
考えなしに法人化を選んでしまうと、予想以上にデメリットが多かったなんてことも珍しくありません。
そこでこの記事では、個人事業主が法人化するメリットや法人化を後悔してしまう理由について、開業から経営をサポートする長崎県佐世保市の翔彩サポート、代表の広瀬が解説します。
これから法人化を検討している方や法人化して上手く活用できていない方は、ぜひ最後までご覧ください。弊社は、初回の無料カウンセリングを実施していますので、お気軽にご相談ください。
個人事業主が法人化(法人成り)するメリット

個人事業主が法人化(法人成り)するメリットは、主に以下の4点です。
- 社会的信用が高まる
- 決算期を調整できる
- 社会保険に加入できる
- 節税効果が高い
具体的な内容については、以下で詳しくご説明します。
社会的信用が高まる
個人事業主と比べて、法人は社会的な信頼が高いです。
法人化するためにはある程度の資金が必要で、定款の作成や登記といった手続きに時間を割かなければなりません。時間と労力を割いて法人を設立することは、それだけ事業に真剣に取り組んでいると評価され、社会から信頼を得られます。
社会的な信用が高まれば、補助金や助成金の申請だけでなく、金融機関などからの借入れの審査も通りやすくなります。
決算期を調整できる
法人化すると決算期を会社の都合に合わせて設定できます。
個人事業主の場合、決算日が12月31日だったり、確定申告や納税の日程が定められていたりと、自身の都合で設定することができません。
しかし、法人化すれば繁忙期に決算や納税の手続きを避けることが可能です。煩雑な手続きが事業の妨げとなることを防いでくれるのは、大きなメリットといえるでしょう。
社会保険に加入できる
これは、メリットでもありデメリットの側面もありますが、社会保険に加入できるようになることもメリットの1つです。個人事業主のときに支払う国民健康保険よりも費用はかかりますが、社会保険に含まれる厚生年金は、国民健康保険に含まれる国民年金よりも金額が高く、老後の備えになります。福利厚生の充実は優秀な人材の確保にも繋がり、間接的に事業や会社の発展にも寄与するかもしれません。
節税効果が高い
法人化の一番大きなメリットは節税効果です。
1つ目は、給与所得控除の活用です。個人事業の場合、事業利益の全てが課税対象になります。
一方、法人化すれば経営者の所得は役員報酬のみになるだけでなく、給与所得控除の分だけ所得として計算される金額を減らすことができるため、税負担を軽くすることが可能です。
2つ目は、従業員の退職金が損金として認められることです。
個人事業の場合は退職金を必要経費にできませんが、法人であれば退職金も損金として計上され、法人所得を減額できるため、節税に繋がります。
3つ目は、赤字を最長10年間繰り越せることです。
個人事業の場合、繰越損失は3年間しか持ち越せませんが、法人であれば最長で10年間持ち越すことができます。大きな赤字を出した翌年度以降に大幅な黒字を出して法人税が多くかかってしまうときに赤字を繰り越すことにより、税額を低く抑えることが可能です。
4つ目は、消費税の課税事業者になるタイミングを遅らせることができること。
2年前の課税売上高、もしくは前年の1~6月の課税売上高が1,000万円を超えると、課税事業者となり消費税の納税義務が課されます。
しかし、個人事業主として消費税の課税事業者となるタイミングで法人化すれば、法人設立の1期目は課税売上高はゼロです。
設立2年目も前年6か月の課税売上高が1,000万円を超えていなければ、免税事業者となります。
しかし、インボイス制度が始まった今、消費税の節税メリットが取れるケースは少なくなっているように思えます。
法人化が後悔するといわれている理由とは?

メリットがある法人化ですが、一定の割合で後悔したという声があがってきます。
法人化が後悔するといわれている理由は、主に以下の6点です。
- 思っていたよりも節税ができない
- 自由にお金が使えなくなる
- 管理すべきことが多くなる
- 責任が増す
- 赤字なのに納税義務がある
- 費用がかかる
具体的な内容については、以下で詳しくご説明します。
思っていたよりも節税ができない
法人化のメリットとして大きく取り上げた節税効果ですが、思っていたより節税できなかったというケースが多く見られます。
法人化することで売上も利益も上がっていくと見込んでいたけれども、予想に反して落ちてしまったという場合には、期待していたほどの税負担の軽減は実現しないでしょう。個人事業主の所得税・住民税が所得に応じて15%〜55%の税率で計算される一方で、法人の場合、約22%~39%の法人税等が課税されます。
よって、法人化後の所得によっては個人事業の方が税額が低いというケースもあり得るのです。これを防ぐためには、事前の法人設立シミュレーションが欠かせません。必ず専門家の方や弊社までお問い合わせください。
自由にお金が使えなくなる
個人事業主は事業で稼いだお金を自由に使うことができますが、法人化してしまうとそうはいきません。売上は会社のものですので、勝手に使うと横領や税務上のトラブルに発展する可能性があります。
どうしても会社のお金を使いたい場合は、役員報酬や賞与といった形で個人の収入にする必要があります。役員貸付金として会社からお金を借りるという手もありますが、利息分も返済しなければなりません。
お金を自由に使えない不自由さがゆえに、法人化を後悔する経営者も多いです。
管理すべきことが多くなる
法人化すると、個人事業主の頃に比べて手続きが煩雑化します。役員の任期・辞任・就任は法に沿って対応しなければならず、書類の提出や手続きは期限を守って慎重に行わなければなりません。決算報告書や法人税申告書などの書類作成にも時間とコストがかかり、定款の変更にもその都度対応する必要があります。予想以上に管理すべきことが多く、「これだったら時間を本業に充てた方が効率的だった」と後悔する可能性は否定できません。
責任が増す
法人化して経営を任される立場になると、事業を成功させながら、従業員の生活も守らなければならず、その責任の重さに気を病んでしまう方もいます。法人化すると個人事業主のときのように自分のペースで物事を進めることが難しくなります。気楽に自由に働きたいという方には、法人化は向いていない可能性があるでしょう。
赤字なのに納税義務がある
個人事業主の場合、赤字であれば所得税と住民税はかかりません。
しかし、法人であれば赤字であっても住民税の納税義務は発生します。
法人が納めるべき法人住民税は「法人税割」と「均等割」の2つに分類されます。
赤字の場合、法人税割は発生しませんが、均等割は法人の規模に応じて課税がされるため、少なくとも7万円程度の納税が必要になってきます。小規模な法人ほど痛手となる可能性があるため、法人化前に検討すべき項目です。
費用がかかる
法人化は様々な面で費用がかかります。法人化するうえで避けられないのが社会保険料と人件費の負担。事業を拡大すればするほど、この2つの費用はかさんでいき、そこを想定して予算を組んでおかないと資金繰りを圧迫しかねません。
他にも法人の設立には収入印紙代や登録免許税などの費用もかかります。
さらに、法人は廃業にもお金がかかってしまいます。資金に余裕を持った状態で法人化を進める必要があるといえるでしょう。
まとめ:法人化で後悔したくない方は、経営全てをサポートできる翔彩サポートまで
法人成りは多くのメリットがある反面、デメリットもあります。デメリットを極力受けないためにも、事前のシミュレーションが欠かせません。
上記の内容以外にもご不明な点等ございましたら、翔彩サポートまでお気軽にご相談ください。
監修者情報

経営コンサルタント 翔彩サポート 代表 広瀬祐樹
【経営分析×経営アドバイス×財務管理】による永続的に繁栄する経営体制を支援。
経営について悩んでいることがあれば、どんなことでも構いません。お気軽にご相談ください。