赤字でも確定申告は必要か?

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赤字でも確定申告は必要か?

皆さんこんにちは 長崎県佐世保市にある経営コンサルティング会社 翔彩サポートです。

令和5年分の確定申告が開始され、今後確定申告作業に追われる経営者も多いのではないでしょうか。

そこで今回は「赤字でも確定申告が必要かどうか」について解説します。

そもそも所得税の確定申告は、その年の所得を計算し、税金を支払うための手続きです。

所得があるのに申告せずにいると、税務調査に入られて見つかった場合に本来の税額に「無申告加算税」や「延滞税」といったペナルティが課されてしまいます。

所得がない、または所得があっても控除額未満の場合も同様に確定申告は必要です。

「税金を支払う」という目的だけに着目すると、原則「確定申告しなくてもいい」ということになりますが、確定申告は税金の支払い以外にも重要な役割を担っており、無申告の場合、自分が何者かを公式に説明する手段を持たないということになってしまいます。

確定申告をしないことによる弊害

国の裏金問題が話題となっている中、真面目に確定申告を行い納税しないといけないのかと感じるのは私も同じです。

しかし、確定申告をしないことで損をしてしまうのは自分だというのも納得いかないものですね。

各種ローンを組めなくなる

住宅ローンなど各種ローンを組むには、所得証明が必要になります。

個人事業主の場合、その証明書類として約3年分の確定申告書類を求められるケースが多いです。

確定申告をしなかった場合、その年の所得を証明できないことになり、ローンを組むのが難しくなることがあります。

特に、事業の融資を受けたい場合にも、無申告の年があると同様の理由から、融資を断られる要因になります。金融機関側からすると、融資する際の判断材料がないわけですから。

ビジネス・私生活の両面で、先を見据えた判断をすることが大切です。

国民健康保険料の算定で不利になる

個人事業主でしたら、ほとんどの方が国民健康保険に加入して保険料を支払っているでしょう。

国民健康保険料の計算は、所得を基準に算定され、無収入・低収入の場合は、保険料の軽減措置を受けられる場合があります。

しかし、確定申告をしていなければ「無申告」扱いとなり、所得証明書を発行してもらえません。

無収入・低収入であることを証明する手段がなくなるため、軽減措置が受けられなくなるほか、さまざまな面で不利になります。そのほか、所得証明書が発行できないことによるダメージはさまざまな分野に及びますので、注意しましょう。

非課税証明書が発行できない

非課税証明書とは、所得や所得控除などの状況によって、住民税が課せられていないことを証明するための書類です。

無申告の場合はもちろん、非課税証明書の発行ができません。

申告方法は「青色申告」がおススメ

個人事業主が確定申告をする場合、方法は青色申告と白色申告の二つがありますが、私は絶対的に青色申告をおススメします。

青色申告をおススメする理由は下記のメリットが大きいからです。

控除額が大きい

所得税の場合、青色申告でも白色申告でも、2020年分の確定申告からは基礎控除として48万円が適用されます。

青色申告の場合はさらに、条件を満たすことで最大65万円の特別控除を受けられます。

青色申告で特別控除を受けるための条件は下記の通りです。

65万円控除の場合

・複式簿記による記帳をする
・貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)を作成する
・確定申告期日 3月15日までに青色申告で確定申告をする
・e-Taxによる申告または電子帳簿保存を行う(行わない場合、特別控除は55万円に減少)

10万円控除の場合

・単式簿記による記帳をする
・損益計算書(P/L)を作成する
・確定申告期日 3月15日までに青色申告で確定申告をする

繰越欠損金の適用

青色申告では、年間で損失が発生した場合に確定申告をすることで、その年の赤字額を翌年以降、最大3年間繰り越すことができます。
「赤字を繰り越せる」とは、仮に翌年利益が出た場合、その利益を赤字分で相殺できるということです。これによって、翌年分の税金を安くすることができます。

まとめ

事業を営むものとして確定申告をしないのは、自分に対して不利益を被ることになるということです。

また、確定申告をするのであれば、青色申告を強くおススメしますし、そのやり方がわからない時や上記の内容以外にもご不明な点等ございましたら、翔彩サポートまでお気軽にご相談ください。

監修者情報

経営コンサルタント         翔彩サポート 代表 広瀬祐樹

【経営分析×経営アドバイス×財務管理】による永続的に繁栄する経営体制を支援。

経営について悩んでいることがあれば、どんなことでも構いません。お気軽にご相談ください。