売上と給料の関係
皆さんこんにちは 長崎県佐世保市にある経営コンサルティング会社 翔彩サポートです。
今回は「売上と給料の関係」について解説します。
従業員の給与はいくらが適正なのでしょうか?
給与を高く設定しすぎると会社に利益が残りませんし、低くしすぎると従業員に十分還元できずモチベーションの低下につながりかねません。適正な給与額を設定できるよう、参考になる指標や高すぎるときの対策を紹介します。
給与の目安は売上の何%?
人件費の計算には、「売上高人件費率」と「労働分配率」の2つの指標があります。
売上高人件費率
売上高人件費率= 人件費÷売上×100
売上高に占める人件費の割合です。総売上のうち、人件費が占める割合を計算し、割合が高ければ高いほど、経営における人件費の負担が大きくなっていることがわかります。人件費率が高すぎる場合は、売上高が少ないか、人材へのコストが高すぎるかが原因(両方が原因の場合もある)です。
人件費は少ないほうが良いと考えがちですが、あながち低ければ良い、というものでもありません。社員への還元が適正ではない場合、社員の仕事に対するモチベーションが下がり、サービスやパフォーマンスが下がる可能性があるからです。また、離職者も多くなれば、会社の評判にも関わってくるでしょう。
売上高人件費率の平均は小売店で20~30%、サービス業で40~60%とされています。
労働分配率
労働分配率=人件費÷付加価値額×100
付加価値額に対して人件費が占める割合をさし、生産性を測る指標として用いられます。「付加価値額」とは、元値に対して企業が付け加えた価値のことです。例えば、1,000円で仕入れた製品を1,500円で売った場合は500円が付加価値額です。
ある企業の人件費の合計が400万円、利益が1,000万円の場合の労働分配率は、人件費(400万円)÷付加価値額(1,000万円)×100 = 40%となります。
労働分配率の平均値は一般的に40~60%です。「2021年経済産業省企業活動基本調査」では50.7%という数字が出ています。業種によっても人件費の比率は異なっており、製造業50.8%、卸売業49.5%、小売業50.0%という結果が出ています。
人件費が高いときの対策
人件費以外の経費を削減する
人件費を削減できない場合は、人件費以外で削減できる経費がないかチェックしましょう。
設備費や交際費、光熱費など支出を一つひとつ確認して、少しでも減らせるところは減らしていきます。
業務効率化をする
業務効率化を行うことも効果的です。
従業員の数が多くない場合は、一人当たりの作業時間を減らして同じ成果が出せないか検討したり、生産性や作業効率を上げることで人手不足をカバーしていきます。
採用活動の見直し
人件費の増加による経営危機を乗り切るには、採用活動を見直すことも検討しましょう。
職場環境や支出の削減は今すでにその体制で働いている従業員を説得しなければならない場合や、費用によっては難しい場合もあるため、そのようなケースにおいては採用活動の方法や方針を改めることで対応します。
売上高アップ
売上高人件費率を下げるには、人件費を変えないまま売上高を上げるのが効果的です。売上高を増やす施策としてまず考えられるのが単価アップです。
商品やサービスの価値を高め一つあたりの単価を上げれば、同じ販売数でも売上高アップを実現できます。単価はそのままに販売数を増やす方法に取り組んでもよいでしょう。
また労働分配率を下げるには、商品や原材料の仕入れ値を下げるのも有効です。コストカットにより付加価値を増やせます。
人件費が低いと…
人件費率が低い場合、経費において人件費の負担割合が少ないことを示しています。人件費率が低いということは、生産性が高いといえますが、従業員への還元率が低いことも考えられます。従業員への還元が適正でなければ、離職やモチベーションの低下につながるかもしれません。他にも会社のイメージダウンや人材不足に陥る可能性があることもあります。
人件費削減はさまざまなメリットを生み出す有用な手段となりますが、メリットにばかり注目して、デメリットの存在に目を背けていると、思わぬトラブルや障害が生じるおそれがあります。
経費削減を成功させるためには、良い面と悪い面の両方を把握しておくことが大切です。
まとめ
事業を営む際、ほとんどの場合に「人件費」の費用がかかってきます。そして、売上・粗利に対する人件費の割合は業種や会社規模によって変わります。 一般的な飲食店の人件費率は売上高の30〜40%が目安ですが、サービス業では50%を超えることもあります。 また粗利益に対する人件費の割合は、一般的には50%以下が適正とされています。
会社の規模や従業員の人数、売上によって適切な人件費の割合があります。それを確認して、売り上げと人件費のバランスを保つようにしましょう。
上記の内容以外にもご不明な点等ございましたら、翔彩サポートまでお気軽にご相談ください。
監修者情報

経営コンサルタント 翔彩サポート 代表 広瀬祐樹
【経営分析×経営アドバイス×財務管理】による永続的に繁栄する経営体制を支援。
経営について悩んでいることがあれば、どんなことでも構いません。お気軽にご相談ください。