新規事業が上手くいかない失敗パターン

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新規事業が上手くいかない失敗パターン

皆さんこんにちは 長崎県佐世保市にある経営コンサルティング会社 翔彩サポートです。

今回は「新規事業が上手くいかない失敗パターン」について解説します。

開業したばかりの方で事業が上手く軌道に乗らず、不安を感じている方は一度下記の内容を確認してみてください。

一つでも当てはまっている場合は、原因が特定できたということに繋がりますので、事業の立て直しのキッカケになるはずです。

新規事業の成功確率

新規事業は成功させるのが難しいと言われますが、どれくらい難しいのでしょうか。

成功の定義によって数値は変わりますが、中小企業庁の「中小企業白書2017」によると、新事業展開に成功した企業は28.6%、収益の向上させることができた企業は14.7%という調査結果が出ています。

逆に言えば、新規事業に挑戦した企業の約85%は、収益を向上させられるような事業を生み出せなかったことになります。

新規事業が失敗する5つの原因

新規事業が失敗する原因として、5つのことが考えられます。

計画していたよりもニーズ(市場規模)が小さい

事業を立ち上げても想定よりも市場が小さいと失敗するケースが多いです。

世の中に出ていないサービスを始めるのは、アイディアとしてはとても良いと思いますが、その反面リスクが高くなることを理解しましょう。開業当初は売上をいかに上げられるかが重要です。

このような失敗を防ぐために下記の点を抑えましょう。

既存マーケット領域で事業開始

まだ成熟していないマーケットでは、顧客に対して理解してもらうコストが高くなってしまいます。

既存マーケットだと、需要が明確なため認知してもらうことに注力してもらうことに時間を注げます。

無理に世の中にないサービスを作らない

既存事業と関係のない領域を攻めるのはやめた方が良いでしょう。

もともと事業をしている企業が新たに始めるのは良いかもしれませんが、新規開業の方がそこで戦うのは非常にリスクが高くなります。

「世の中にないサービス=需要がない」というケースも多いでしょう。

身の丈に合った経営計画を立てましょう。

マーケティング戦略が不十分

新商品や新サービスができたとしても、それを認知してもらえない、売り込めないパターンです。

作った商品やサービスがどれだけ優秀であっても、認知されていなければ自然に売れることはあり得ません。

新規開業においては、優先的に「ニーズがあるのか」「どこで売れるか」を突き詰めて考えることをしてください。

前もってマーケティング戦略を立てていれば、自然に売れる仕組みを構築できます。

従業員のモチベーションが高くない

従業員のモチベーションが高くないことで、事業が上手くいかなかったケースも多くあります。

理由は簡単です。モチベーションが高くないということは、商品やサービスを売り込む意欲も低下しますので、売上には繋がりません。

中小零細企業では、人手不足や人事評価体制が不十分という理由が大きく関係しているでしょう。

大企業と同じ戦い方をしてしまう

大企業のやり方を真似して始めると、ほとんどの中小企業は失敗の道をたどるでしょう。

その要因は、予算・人材・顧客数・単価・知名度などにおいて全く違うからです。

大企業は、大量生産・大量発注がすでに行われているため原価率を低く抑えられるでしょう。

しかし、中小企業はそんな莫大な資金を持ち合わせていることは少ないです。

中小企業なりの戦い方をしなければいけません。

複数の新規事業を同時に開始

新しいアイディアが浮かんだり、取り組みたいことが多いことは悪いことではありません。

それをすべて同時に進めていくことは非常にリスクが高いです。

事業は1つを成功させるだけでも相当な労力が必要です。

同時並行だと、その労力は必ず分散してしまい、本当は一つひとつのアイディアは優秀なのにどれも成功しなかった、ということもあります。

人手が足りている時は良いかもしれませんが、1人で起業したり人手が足りない場合には、一つずつ進めていくことをおススメします。

新規事業の成功確度をあげる6つのアプローチ

仮説検証を繰り返す

こうすれば成功するということなんて誰にもわかりません。いろんなことを挑戦し続けた先にしかその答えはないのです。

顧客ニーズを把握するのは簡単なことではありません。

ヒアリングや市場調査を行うことが重要なのは間違いないですが、延々と調査をしていても、時間がなくなる一方です。そもそも長期間調査をしている間に市場は刻々と変化してしまいます。

タイムリーに顧客のニーズに応えるためには、自分なり・組織なりの仮説を持って行動することが一番の近道となります。

一定の仮説があれば、それを基軸にして仮説検証→修正→検証→修正・・・のサイクルを回すことができ、非常に効率的です。

ここで大事なことは、「ベストよりベター」を求める、ということです。正解のない、不確実性の高いビジネスの世界では、ベストを求めているといつまでたっても具体的結論にたどり着くことはできません。ベターを追求し続けることで、結果的にいずれベストにたどり着くことができます。

経営陣の新規事業への参画

新規事業において、経営陣が参画して進めていくことが、意思決定の場面で非常に有効な効果を発揮します。

予算承認や社内決議に時間をかけていては、せっかくの新規事業アイデアも台無しになってしまいます。

組織の最終決裁権を持ったトップが新規事業開発に携わることによって、リアルタイムで案件の状況を把握し、どれくらい社内リソースを割けるのかを迅速に決定することができます。

予算配分を柔軟にする

新規事業開発部署が、新規事業遂行のためにどうしても予算を必要とした場合、柔軟に予算配分を変えられることが、成功確度を上げるうえでは有効です。

新規事業開発では、前述の通り、予想外の予算が必要になってくることもあります。

その際に、柔軟に予算を配分するプロセスが確立されていることが新規事業成功への近道です。

経験者に相談する

新規事業開発経験者が不足していることは多いですが、社内で見つけようと思っても、すぐに身につくような能力でもないため、見つけるのは困難でしょう。社内にリソースがないならば、社外からリソースを調達するのが良い解決法です。

リソースを調達する手段としては、主に2つのものが挙げられます。

(1)社内の知り合い・つながりから必要な人材を見つける

(2)新規事業開発支援専門の会社に相談・発注する

事業に対するモチベーションの維持

規事業は当初の計画通りに行かず、収益、顧客確保、受注数などが確保できないといったことが多く起こります。そのような立ち行かない状況が続くことでモチベーションが低下し、新規事業の失敗につながることがあります。

成果が出るまでに長期間を要する新規事業は、その事業に対する強い熱意がなくては成功しないのです。

新規事業に関わるチーム全体の士気を高めるには、何よりも経営者自身が「情熱」をもつ必要があります。

常に熱意のある姿勢で業務にあたれば、自然と周りの人間を鼓舞することができ、成功率に大きな影響を与えます。

経営者、社員のモチベーションの維持というものが事業成功に与える影響力を認識する必要があります。

事業プランの視覚化

新規事業を成功させるには、チームが一丸となって事業に取り組む必要があります。

しかし、明確な事業プランがなければ、チームの全員が同じ方向を目指すことは難しくなります。

ビジネスに活用できる主なフレームワーク 概要

・SWOT分析
「強み・弱み・機会・脅威」の4つの観点から、内部環境と外部環境を分析するための手法。

・ポジショニングマップ
「コスト」と「サービスレベル」のように2つの軸をつくり、自社や競合他社がどのポジションにいるのかを分析するための手法。

・3C分析
「顧客・競合他社・自社」の3つの観点から、事業性の高いビジネスプランを策定するための手法。

「5W1H」や「ペルソナ分析」など、ほかにも新規事業に活用できるフレームワークはいくつか存在します。ビジネスプランの質を客観的に判断するためにも、さまざまなフレームワークを活用しながら経営者のアイデアを可視化していくことが大切です。

まとめ

事業を成功させることは本当に血の滲む努力が必要です。

売上が伸び悩んでいる方は、大企業とは違う戦略を、自分自身なりの経営戦略を今一度見直してみて下さい。

上記の内容以外にもご不明な点等ございましたら、翔彩サポートまでお気軽にご相談ください。

監修者情報

経営コンサルタント         翔彩サポート 代表 広瀬祐樹

【経営分析×経営アドバイス×財務管理】による永続的に繁栄する経営体制を支援。

経営について悩んでいることがあれば、どんなことでも構いません。お気軽にご相談ください。