繰越欠損金

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繰越欠損金

皆さんこんにちは 長崎県佐世保市にある経営コンサルティング会社 翔彩サポートです。

今回は、「繰越欠損金」について解説します。

繰越欠損金とは?

欠損金とは税務上の赤字のこといいますが、そもそも会計上の利益と税務上の所得は算出方法が異なります。会計上は赤字であっても税務上は赤字ではないケースも多いです。

会計上は減価償却費の全額を費用計上できますが、税務上は限度が設定されています。

そのため、会計上の利益から税務上の所得を算出するには、損金不算入や益金不算入の項目を調整が必要です。

このうち、法人税などは税務上の所得に対して課されるため税務上の所得が赤字であれば非課税となり、欠損金は来期以降に繰り越して来期の黒字所得と相殺することが認められています。

繰越欠損金とは、この前期以前から繰り越している税務上の赤字のことをいい、黒字と相殺できるものです。

繰越欠損金を使うには?

繰越欠損金を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。

欠損金が生じた事業年度に青色申告での確定申告が必要

繰越欠損金を利用するには、欠損金が生じた事業年度の確定申告の際、青色申告を行う必要があります。青色申告しておかなければ欠損金の繰越控除を受けられない場合もあるため、繰越欠損金が生じてからではなく毎年青色申告を行うことをおススメします。

継続して確定申告を行う

繰越欠損金の控除を受けるためには、欠損金が発生した以降の事業年度まで連続した青色申告が必要となります。

帳簿の保存

繰越欠損金の控除を受ける際は、帳簿を10年間保存しておかなければいけません。

帳簿類の保存期間は、確定申告提出日の翌日からカウントします。

3月末決算で5月末に確定申告を提出した場合は、10年後の6月1日以降に帳簿を破棄しても問題ありません。会計年度と間違わないように気をつけましょう。

繰越欠損金の税効果会計適用には回収可能性の判断が必要

繰越欠損金には将来年度の法人税負担が軽減できるというメリットがあります。

翌年度以降も赤字が続いては、繰越欠損金を黒字と相殺して法人税を抑えることはできません。

繰越欠損金によるメリットを十分に得るためには、将来年度において法人税支払いの対象を黒字とすることが必要です。繰越欠損金には繰越できる期間が定められていて、期限切れとなると期待通りのメリットは得られなくなります。

税効果会計では、法人税に対するメリット・デメリットを正しく評価し、計上することが求められます。繰越欠損金を適用する場合は期限切れを起こさずに黒字と相殺できる可能性、回収可能性の判断が必要です。

上記の内容以外にもご不明な点等ございましたら、翔彩サポートまでお気軽にご相談ください。

監修者情報

経営コンサルタント         翔彩サポート 代表 広瀬祐樹

【経営分析×経営アドバイス×財務管理】による永続的に繁栄する経営体制を支援。

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